2018.03.18 Sunday 19:00

「散り椿」とは?

ツアー最終日の東京・サントリーホール公演が終ってから、もう2週間になりました。
毎回同じようにコンサートに向き合ってきているのですが、今回はどういうわけかお手紙やメールが遅まきながら押し寄せてきて、ちょっと不思議な現象に包まれているところなのです。
その中から、
・・・・・・
70代後半に入りかけた男性からの言葉もうれしかったです。

いつものことですが、加古さんの演奏と曲を聴くと忘れがちな情緒が体中に広がり、とても豊かで清らかな気持ちになります。何処を向いても人間味が薄れてしまった時代、言葉ではなくこの曲と演奏こそが、日常に必要なものと実感しています。
・・・・・・

そしてこちらは、おそらく40代の女性。

クァルテットの素晴らしさ、全開でした。大変心に染みるもので、音の粒子にたっぷりと浸ることが出来ました。
「アヴェ・マリア」は子守歌のようにやさしく、”母なるもの”そのもの、安らぎを感じました。そして、「テンペスト」。so cool !!
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こちらは定年退職され、会社のしがらみから離れた爽やかさで九州から駆けつけてくださった方。

ピアノの豊かな響きと弦楽器の揺らぎ、震えの余韻がこだまして美しく天空に消え去っていくのが残念で、愛おしい時間でした。
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と言うわけで、プログラム全編を「加古カル」だけで演奏するのは初めてでしたが、皆さまの感動がいつまでもジワジワと溢れてきている、ということのようです。

KAKOさんは、映画「散り椿」の公開時にサウンドトラック盤が出る(だろう)から、と、各シーンの曲名を用意し始めています。テーマ曲をコンサートで初演しましたが、植木昭雄さんが奏でるチェロのメロディーが耳に残り、9月公開という映画を早く観たいものですね。
コンサート会場で配られていた映画のチラシ、表と裏です。




裏面の一番下に書かれていますが、「散り椿」の正式名称は「五色八重散り椿」といい、花弁が一片一片散ってゆき、一本の木に白から紅まで様々に咲き分ける、特別な椿なのだそうです。
私は映画のお話しが来たときにタイトルを聞いて、「椿三十郎」が白い花をかき集めて隣居との境界の流れに投げ込むシーンを思い出していましたが、そのようにはポタッと落ちないのが「散り椿」だそうで・・・。
知っている人は少ないのではないでしょうか?
3月下旬が開花時期とも書かれていたので、ちょっとネット検索してみました。

何と、「地蔵院の散り椿」なるホームページがありました!
http://www.tree-flower.jp/26/jizou-in/chiri_tsubaki.htm

京都旅行される方、是非、ご覧になってください。

2018/03/18

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2018.01.27 Saturday 12:07

林檎をたずさえて

先日の続き。

シードルのお話しが出てくる吉村喜彦作「バー・リバーサイド2 二子玉川物語」。本の表紙は前頁の1月20日に掲載。
全五話の短編集です。
その第二話「星あかりのりんご」。
主人公は藤沢あかねという30代半ばの女性で、フランスに滞在し、日本発注のコーディネーターとしてバスクに取材へ出掛け、そこで「シードル」に出逢うのですが、それがのちのち彼女に訪れる帰国後の人生の、ターニングポイントになろうとは・・・。


真っ赤な林檎をたずさえて、「バー・リバーサイド」の扉を開きます。
(読者の方々は、シードルの原料が林檎だということはご存じですよね)

第二話の中身にも私の好きなフレーズがいっぱい溢れていますが、その中からひとつ。
あかねとバーのマスターの静かなやりとり。

「どうしてりんごの香りってこんなに心を落ち着かせてくれるんだろう・・・・」
「きっと、ひとに寄り添うくだものなんだね」

皆さまも、こんな文章に、フーッと一息ついてください。

他の4話のタイトルは、
「海からの風(シー・ウインド)」
「行雲流氷(こううんりゅうひょう)」
「ひかりの酒」
「空はさくら色」
が収められています。()内はルビでふられています。
東京都世田谷区二子玉川(ふたこたまがわ)、通称ニコタマ住民もそうでない方々も、文庫の帯にあるように”川のほとりの小さなバーへ”是非!足を踏み入れてみて下さい。540円で、夢の隠れ家に誘い込まれます。

さて、世の中に沢山の作家サンがいらっしゃいますが、吉村さんとの最初の出会いは1998年。KAKOさんが珍しく半袖姿の写真なので、夏だったようです。
とある会員誌のインタビューアーとして目の前に登場したのでした。
その原稿が届いた時、何と対象であるKAKOさんに寄り添った文章なのだろうか、と感動してしまったのでした。
前述のりんごのようです。

・・・自然の中に包摂され、同化しながら音を紡ぎ出していく彼の曲のタイトルには「光」や「水」や「風」という言葉が多い。うつろいゆくものに感応してゆく加古隆の姿がある・・・

最後の方で・・・
「映像の世紀」の音楽がなぜ心に残るのかがわかりかけてきた、と書き・・・生命へのいとしい思いが、そこにふるえるように脈打っていたからだ・・・と締め括られている。

20年前の掲載誌は、今もKAKOライブラリーに大切に保管されています。


ここで、1枚の写真を。
プロデューサーであり奥様でもある吉村有美子さんを伴って、お二人でKAKOさんのコンサートにも毎回のように来て下さいます。その有美子さんから届いた多摩川上空の、ある日。



”仏の顔のスーパームーン ”というタイトルを付けて送ってくださいました。
傑作ですね!

KAKOさんのコンサート、というLiveを通じて、今も交信させていただいているのです。

2018/01/27
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2018.01.20 Saturday 19:11

帽子を40個?

「名古屋の朝日新聞社から、先日の取材が掲載されたということで、本紙が届きましたが・・・帽子は40個もありますか?」と私。

記事の最初の出だしが「トレードマークの帽子・・・」。
取材時の写真の横に「素材が違うものを40個くらいは持っている」と、本人が語った言葉が書かれています。
それって20数年前頃の数じゃないですか?



「最近かぶっていないものが多いから、常用で帽子ケースにあるのは半分くらいかなあ」
などと暢気な返事でした。きっと作った当時の数を言ってしまったのでしょう。

1982年のテレビ番組でのアフリカ・ロケで、プロデューサーから言われたのが「熱射予防に帽子必須」でした。
学生時代から大嫌いな帽子でしたが、そのことをご相談した帽子デザイナー氏の言葉で気持ちが動いたそうです。
「必ず、その人に似合う帽子というのがあるものです」

36年前(!)その第1号の帽子を持って、アフリカのセネガルへ。パーカッショニストの吉原すみれさんと共演の「音楽の旅はるか」という番組でした。
ロケ地でのスナップを1枚掲載します。写真中央にKAKOさんと吉原さん。



全て、そのデザイナー氏の手作りで、何処にも売っていない貴重な帽子。

話は変るのですが、先ほどの新聞を接写しようとして、第1面のタイトルが気になりました。
『シードル人気 色めくリンゴ農家』


リンゴ農家の悩みに、若い世代がリンゴを食べなくなった、というのがあるとか。総務省調べでも、70歳以上で年間20キロ、29歳以下では2キロ、とか。

ある長野県のワイナリーにリンゴを持ち込む農家があって、それがシードル作りのきっかけとなった、というエピソードなども。

発泡系も色々と人気度が変遷するのですね。

で、昨年発売された吉村喜彦さんの「二子玉川物語」(ハルキ文庫)という短編集を思い出しました!



第2話にシードルをめぐる「星あかりのりんご」という、いつもながらタイトルの素敵なページがあるのです。
そのお話しは明日にでも。

2018/02/20
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2017.09.08 Friday 16:03

ユーパトリウム

去年植えたシュウメイギク(秋明菊)が、草木の密集したところに顔をのばして咲いているのが見えました。



こちらの蕾はまだですね。これが咲いている頃は、湯河原に帰ってしまいます。



今まで、唐松の木の陰で見えなかった「ユーパトリウム」が、少し傾いて木の左側から顔を出しています。


ガーデンデザイナーのPaul Smither(ポール・スミザー)さんが、7〜8年前に軽井沢・絵本の森美術館で講演された際に聞きに出掛け、帰り際購入してきたものです。その時には花は8センチくらいの大きさでフワフワと丸い形で咲いていたのですが、アトリエの弱い日差しでは同じように咲いてくれませんでした。
唐松の後ろでよく見えないから植え替えするように言われ続けながら・・・ようやく今年、写真のように見えたという訳です。

KAKOさんがその花を「フジバカマを洋風にしたようだ」と言っていましたので、ようやく秋の七草の「藤袴」を覚えたのでしょうか。

そんなことがあった後で、KAKOさんに一枚の花の絵葉書が届きました。
打ち合せするテーブルに飾ろうとして、、、あれっ?



絵はがきは「藤袴」だったのです。

よくよく見ると、日本語の他に英字で Eupatorium Fortunei と書かれていました。
お仲間だとは思いますが葉のかたちが少し違いますね。

ちょっとした偶然のお便りでした。

2017/09/08
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2017.08.13 Sunday 15:35

長崎からの葉書

季節柄、暑中お見舞いのお便りが届きますが、夏の軽井沢に滞在していると「暑中」の言葉にピンとこない日が多いかも知れません。
ただし駅前の本通りは、電信柱の地中埋め込みが終ってから植樹されたのは、2メートルに届かないような低く小さな木ばかり。今この通りを歩くのは辛いものがあります。
太陽を遮るほどの並木に育つには、数十年かかるのではないかと思われる程なのです。
もしかしたら、避暑のために訪れた方はびっくりなさるかも知れない、と気になりました。

その点いつも書くことですが、KAKOさんアトリエのある一角は何処よりも涼しい、、、ので、元気で仕事をやっております。
映画「散り椿」の録音が今週に迫ってきたため、最後の追い込みです。どんなことをやっているのか?って気になりますよね。
特に映画の場合は、何分何秒何コマの絵に合わせて音楽がスタートする、とか、音楽が終らなければならない、という決めごとがあったりすると、音響の編集マンに、音楽を適当にフェイドイン、フェイドアウトしておいてください、と言うわけにはいきませんので、KAKOさんの作業も半秒とか半拍の世界で細かい作業になるのです。そういう数字上の細かさと同時に「音楽的に解決する!」という命題が外せません。

パソコンや楽譜に、顔をくっつけるほどに向かう毎日。これでは、眼と耳が極限状態にお疲れ気味でしょうね。
そう思っていましたら先日、アトリエの室内にいるのにサングラスをしているのを見かけました。聞くと、それはサングラスではなくブルーライトカット眼鏡だそうです。パソコン・モニターの液晶画面からのブルーライトという強い光をカットするとか。

さて暑中見舞いの葉書の中に、引越し案内が一枚ありました。差し出し局は長崎。
久しぶりの単身赴任だそうで、「興善小学校の資料館で加古さんの曲を聴き懐かしく・・・」と、書かれています。

興善小学校?
もしかしたら、あのドキュメンタリー映画の時の小学校?と、直ぐに思いました。
原爆に被災した小学校が映画の舞台でした。
岩波映像のホームページに、当時のチラシも掲載されています。

http://www.iw-eizo.co.jp/sell/society/02/society02_003.html

この時は、テーマ音楽のことで、プロデューサーの意向とレコード会社との関係が難しく、苦労したことが思い出されます。もしも長崎に行く機会がありましたら、記念館を覗いてみて下さい。
被爆50周年を記念して1996年に製作、となっていますので20年前となりますが、この映画も末長く残ってほしいものです。

2017/08/13
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2017.07.28 Friday 17:10

蜩(ヒグラシ)を耳にしながら

確か梅雨明けのニュースがあったような気もしますが、その後からのほうが雨の日が多いです。一昨日も、軽井沢から東京へ向かう新幹線の電光掲示に、秋田方面の運休や遅れが流れていました。
局所的に豪雨という異常な天候もあり、北海道でで37度という場所があったなどと、さすがに驚きます。

最近は朝夕に、ヒグラシがよく鳴いています。
KAKOさんも作曲のアトリエから聞こえているそうで時々話題になるのですが、その風情のある鳴き声には、本当に日本の夏を(過ごしている、と)感じます。
梅雨のジトジト雨が多い年にはヒグラシも少ないのですが、今年は意外に爽やかだったせいか、毎日のように多く聞こえます。

ところで「蜩ノ記」の映画では、ヒグラシの鳴いている場面ってあまり出てこなかったですね。タイトルにもあるのに何故だろうかと思っていました。
私は軽井沢で初めてヒグラシの存在を知ったので、皆さんの中にも実際にそういう風景に出会ったことの無い人もいらっしゃって不思議ではないですし、、、。
庭で聞こえるヒグラシの鳴き声を録音したいと思いましたが、それよりも今やYouTubeかな。

こんな鳴き声です。

https://www.youtube.com/watch?v=txq2YOtZn30&t=44s


作曲に閉じこもって、1日に100歩も歩いていないかも・・・とKAKOさんは嘆いています。
次の映画のメインテーマ曲を場面によってどう変幻させるか、、、音楽の1秒にも半秒にも気が抜けません。

この仕事の後に、9月2日(土)のオーチャードホールの公演が待っていて、作曲家のあとは演奏家。
静と動の両方で、うまく自身が保たれている、とはKAKOさんの口癖です。

蜩(ヒグラシ)を耳にしながら、、、7月も、もうすぐ終り。

2017/07/28

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2016.02.04 Thursday 16:26

雪景色、海景色

先月のある日、軽井沢の「定点観測さん」から届いた写真は、夜明け頃から午後までに40センチも降ったという雪景色でした。


所変わって、こちらは真鶴と湯河原の間にある入り江、福浦での一コマ。
陽射しがあたたかく風もなく、散歩に行きました。
おっ!釣り船だ!


水も澄んできれい!


手書きの船名!


小さな燈台!


海を見ながら、いつもKAKOさんは思うそうです。
地中海の海沿いを渡る船のように、真鶴ー湯河原ー熱海という航路があればなあ、と。
でも気候とか波の高さとか、実現できない自然問題があるのかも知れません。

帰り際にこんな看板!


フムフム、心当たりがある私が撮った一枚でした。

2016/02/04

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2016.01.28 Thursday 17:34

萎(しお)れても美しく

KAKOさんの曲「白梅抄(はくばいしょう)」には、副題として〜亡き母に〜と添えられています。
白い梅が咲く頃に逝った人を思い、曲が完成した時にはプログラムなどで副題もつけることが多かったけれど、年月の経過と共に曲名だけ残り、今や〜亡き母に〜を知る人も少ないかと思います。

毎年、命日に蘭花を贈って下さる方がいてもう十数年続いているのですが、今年はめずらしく深紅のチューリップでした。
それから一週間も経って今日アトリエを覗くと、3〜4個の花が散り落ちたようなので茎を切ろうかと思ってよく見ると、赤い花弁が水の張られた器に浮かんでいるのに気がつきました。KAKOさんは時々こうして散った花弁を浮かべたりするのです。

まっすぐに伸び立ったチューリップも元気でいいですが、こういうしな垂れた姿も、、、、

好きだなあ、と思い一枚写真に撮りました。

もしかしたら、春のツアーで「白梅抄」を久しぶりに演奏するかも?
と、ふと思ったのですがそれはまだ分かりません。

2016/01/28

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2015.08.12 Wednesday 21:33

季節の花便り

今日、KAKOさんが撮影した2枚の写真を掲載することに致します。
アトリエ通信で、この季節には毎年のようにご報告している「レンゲショウマ」です。





この花は下を向いて咲いているので、かがんで花を見上げるようにしなければならず、切り取って花瓶にいれて眺めたいと思ったそうです。
それも一輪挿しで。

バックを建物の「黒い塀」にして、正面からと横からと、こだわりと感動の気持ちが現れていますね。

ハッとする淡い色合いの美しさ。
花の直径は5センチほどです。蓮華という名前からも、こうしてみていてもどこか蓮(ハス)に似ています。

この花を眺めながら、今日のニュースが報じている30年前の日本航空機の墜落事故や、盂蘭盆会のことなど思う一日でした。

帰省ラッシュやUターンに紛れて、上京して打ち合わせや録音があり、KAKOさんの作曲も秒刻みで夏休みの無い日々を過ごしていますので、秋休みを楽しみに頑張っています!

2015/08/12
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2015.07.19 Sunday 15:03

初夏の日月

さて6月から7月にかけての庭を振り返りますと、、、

アトリエに続く道からどうぞ。薄暗く読みにくいですが、看板は「Passage de l'atelier」。



6月のアナベルは、まだまだ小さく緑色。この時期は寒くて室内ではストーブも必須でした。




7月になっても、つい数日前まで白くはなかったのに。




急に暑くなったせいで、アナベルの色がメロン色から白になり、花もまあるくなりました。
アナベルの右下側に白い穂先のような花が見えますが、もしかしたら「トラノオ」かも知れません。


先月、ある名高いガーデンのお庭でこの花のことを知り、実は散歩道で群れ咲いていたのを見つけて手堀りしてきたものを植えました。

KAKOさんは、次なる締め切り、、、今月末までに用意しなくてはならない音楽のことと、8月2日(日)の宇都宮市文化会館でのコンサートの準備に邁進中です。
それが終わったら、またまた作曲の締め切りやら東京での録音が10月中旬まで続きます。

そんなわけで、今年の貴重なライブ、是非お聴き下さい。
宇都宮美術館での「パウル・クレー展」との連携コンサートで、コンサートチケットで美術館の展示に入場できるというものです。
ちょっと珍しい企画ですね。

2015/07/19
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